最終更新:2018/10/12  展示品は手塗りサンプルです TOPへ



THE BUS COLLECTION vol.1(ザ・バスコレクション第1弾)が発売されて今年で15年、品番ベースで現在までに(2018年9月1日現在)839種に成長したシリーズですが、やはりこれだけバリエーションと期間があれば滅多にお目に掛かれないレアモノや変わった流通経路を辿ったものなど様々な逸話が存在します。 バスコレマニアックスではそうした「ちょっとディープ話を纏めておこう」を主旨として、レア品から豆知識的な事々など個人的主観と周囲への聞き取りによって「これ」と思ったトピックで構成されています。 古くからのファンなら誰でも知っている内容が殆どですが、今現在WEB上に残っていなかったり、SNS内や掲示板等で流れてしまっている情報も多くなって来た事から、改めてまとめておければと思っておりました。
新参の方向け又はベテランファンの懐古ネタに、ごゆるりと笑覧頂ければ幸いです^^

※ 私個人では揃えられない品も多く撮影の為にお借りするなど執筆には多くの皆様のご協力を賜りました。御礼申し上げます。
※ 一枚目の画像は今は無きリトルジャパン鶴見店にて初めて購入したバスコレ。私の1台目は京浜急行バスのMP118でした。もう15年も前か…
  鉄道模型店でブラインドで売られるものが出て来るとは当時はとても新鮮でした。模型を購入したおつりでよく摘まんでいたのが懐かしいです。

取り上げるものについて詳細を表示/非表示

一応取り上げるものの前提として〜〜

1. 所謂関係者=メーカーの担当者や設計者・事業者側の担当者の中でしか手に入らない試作品の類は省く
2. 1に当てはまりそうな品且つ正式に発表されていない品でも、何らかの手配ミスや偶然を含め関係者以外が手に入れる事が可能だった場合は含める
3. 事業者職員のみ等内々に発売されたものや一部店舗への展示配布品であっても、直接バスコレの企画に関わらない関係者が手に出来たものは含める
4. 製造工程時にボディーやパーツの選択ミス・印刷ミス等から生まれた固有のエラー品は含めない(別途そうしたものを集めたページは考慮中です)

〜〜としました。


1.バスコレ珍品堂
3.白バスミュージアム
5.
6.
7.


 Part.1 バスコレ珍品堂 

レア品と珍品はちょっと違う?? 所謂レア品と書くと単純に絶対数が少ないものになりますが、その中でもある程度浮動品が枯渇して現状流通量が少ないもの・来歴が特殊で普通には手に入らないもの・偶然が介在しないと入手出来なかった物、そう言えばこんな物もあった〜〜などなどちょっとDEEPな品々をピックアップする項です。入手方法が特殊なケースも取り上げていますので、一般に言うコレクション品としては向かない物もあります。また、情報記事として「恐らく」は使いたくないワードでありながら多用している項があります。品物の性質上正確な情報を調べる術が無いものについてはどうかご容赦を…噂話に過ぎない〜程度にお含み頂けると助かります。相応しい製品が出ましたら順次追加して参ります。




K001 バスコレクション第2弾 広島電鉄 事業者限定バージョン「熊野営業所」

ネタ一発目はこれ。 バスコレのレア品と言ったら… このお題でアンケートを取れば先ず第一に挙がって来るであろう品はこれでしょう。 バスコレ第2弾が一般流通するより一足早く2003年9月27日に開催された「日比谷・バス創業100周年記念 バスフェスティバル」の広島電鉄ブースにて初売りされました。当時はまだバスコレ人気に火が付く前、我先に購入するような代物でもなく、ブースはまったりと… 当日の価格は通常品の378円より若干お得な350円。翌年2004年9月に開催された広島バス祭りでは300円(在庫処理に近い?)、さらにバスコレ人気が沸騰を始めた2005年9月に開催された同広島バス祭りでは、最後の蔵出しとして1000円で販売して文字通り瞬間蒸発、一時定価の40倍を超える高値が付いた事もありました。

※ 正確には360円+5%消費税=総額378円となります。



記念すべきK品番のトップバッターK001! K品番=事業者限定品とは言え、箱も通常品と同じで後の完全オリジナルな限定品とは趣を異にするものでした。事業者が頒布し、通常品のついでのような形で作られた製品と言えば…今ならA品番が相応しい内容と言えそうです。また、画像をご覧頂いても判る通り第2弾までは吹付塗装とデカールで仕上げており、タンポ印刷やフルカラー印刷を駆使した今の製品とは隔世の感があります。

製品の特徴としては車番と方向幕が一般流通品と異なり、通常品の「16626号車・広島バスセンター」に対し「14571号車・熊野営業所」となっています。右は一般流通品の023。実はこの023にもちょっとした逸話があります。



当時を知る方なら常識と思われますが、折角なのでこれにも触れておきましょう。
バスコレ2弾の通常品「023」の中には画像のように車番の部分に不自然な枠が付いたように見える製品が混ざっていました。実はこれ、製造工程時に余ったK001を通常品に転用した言わば修正品で、元々K001として製造されたボディーの上から車番と前面方向幕だけデカールを二重に重ねて作られた製品なのです。よって上貼りを丁寧に剥がすと(注:失敗する確率高し)熊野営業所が出現します。とは言え肝心の品番が印刷されたシャシーや、前面以外の方向幕が表現された左側面や後面の窓パーツが手に入らない為、K001の完全体を捏造する事は出来ません。 車番の周りが濃く枠が付いているように見える事から、「黒枠付き」「枠付き」などと称されていたと記憶しています。具体的な封入率は判りませんが、感覚の上では通常品の1〜2割程度?な印象ではあります。

取材協力:R.H様




阪急バス2台セット & 京阪バス2台セット (紙製スリーブ入り仕様) 

紙巻スリーブが肝!? コレクターの中でも品番ベースで集めているとスルーしがちだったこのセット。特別に用意された紙スリーブが巻かれているだけの品で、外箱・中身共に一般流通品と同じです。阪急に関してはオリジナルシールが付いていたようですが、所有者によると無くしたとの事で撮影は叶いませんでした。(バスコレ向け・またはそれに関わるシールではないそうです)

阪急バス2台セットについては、2004年9月19日に和歌山県片男波公園で開催された第4回スルッとKANSAIバスまつりにて一般に発売されました。価格は税込み800円で通常品の定価より若干高めの設定になっています。第1弾通常品の発売が前年5月ですので、通常品が発売されてから約1年半ほど間が空いている事になります。これもあって、世に出たタイミングとしてはバスコレ3弾をベースにした京阪バス2台セットの方が早く、こちらは基本的に社内販売向けとして2004年2月の一般販売と前後して納品されたようです。先頃話題となった東急バスのA品番よろしく関係者オンリーの走りとなったセットでした。価格は税込み750円となっています。



ご覧のように阪急バスセット・京阪バスセット共に個装箱を含め中身は通常の一般流通品と同じです。

品名 内容 頒布時期 価格
阪急バス2台セット バスコレ第1弾より 009/いすゞBX352 010/三菱MP118 2004年9月19日 800円
京阪バス2台セット バスコレ第3弾より 031/日野RE100 034/いすゞBXD30 2004年2月の一般販売と前後 750円

※ 一般向けの頒布時期:社内販売等ではもっと早く頒布されていた可能性があります。

「中身は同じだしなぁ」〜当時の私も完全スルーでしたが、こうした油断しがちな物こそ浮動品が尽きると出て来ない物… 今ではオークションを含め京阪バスの方はたまーに見掛けるかな…程度、阪急の方は先ず見なくなってしまいました。
一番下は阪急セットの裏面です。京阪セットは茶色の無地で絵柄はありません。

取材協力:T.F様




国際興業グループ 事業者限定 国際興業/岩手県交通BU15Pセット

箱だけ番長とは正に!? 上掲紙スリーブネタに続いてこちらもパッケージだけ違う品です。
2006年3月26日に埼玉スタジアムで開催された「旧型バスお別れ会」にて限定800個・一人一限で発売されました。バスコレファンとしてはこの日は同時に発売された「国際興業バスグループBU04セット」5台セットの初売りがメインで、上掲紙スリーブネタと同じく「中身が同じだからなぁ」と一回目の入手機会をスルーする方も多かったようです。やっぱり欲しくなってもう一度並んだ時には既に手遅れ〜当時の談義会でよく聞く話でした。

その後オークション等にて他の事業者限定セットを差し置いて一番高いのではないかと思われる時期もあったほどプレミアが付きましたが、一方で当日のメイン=BU04セットの方はどうもその後売れ行きが芳しくなかったのでしょうかイベントに行けば常に置いてある状況で当然中古市場でも値が付かず、これに対して第4弾の中でもお世辞にも人気だったとは言えない2両を箱だけ作ってアソートしたセットが高値維持とは世の中判らないものです。まぁ当時のバスコレは人気急上昇花丸印!の勢いでしたから、単純にコレクション(コンプリート)需要も多かったでしょうし、何より価格(価値)が人を惹きつける〜という構図も手伝ったのではないかと思われます。



内容はバスコレ第4弾一般流通品のBU15P「043/岩手県交通」と「045/国際興業」の組み合わせ。幕違いや車番違いと言った事もなく全くの同一品です。

人間勉強するもの(笑 こうした一件があってから箱だけでも違えばとりあえず買ってみる〜その後に発売された箱違い品やパッケージ違い品も軒並み売り切れ、限定品と銘打てば売れる状況が暫く続きました。 こんな具合に一頃はオークション界隈を賑わせた品でしたが、今では稀に見る程度で大体は落ち着くところに落ち着いた感があります。




いすゞBX352の無塗装バス

この辺りからちょっとDEEPな品々を。
バスコレクションの初期モデルBX352の無塗装品です。製品の由来は2003年6月29日に東京都立産業貿易センター浜松町館にて開催された鉄道模型イベント:第9回JNMAにてバスコレクション第1弾を1BOX12個若しくは特別セットを購入した際に1セット購入につき1台進呈されたものです。特別セットとは第1弾12種+シークレットの中から1種のみを12個アソート(全部同一)したセットで、何が入っているか判らない状態で販売されていました。つまり運が良ければ欲しかった物やシークレット12個も有り得た反面、運が悪いと要らない物12個も有り得た訳で、単価が安かったとは言えメーカー直販=定価・博打的要素満載の企画に尻込みさせられた印象があります。おまけは下記の5種がありました。

MP118:前折中引き戸仕様 前折後引き戸仕様 前折中折り戸仕様
BX352:前向きシート仕様 三方シート仕様
※ バスコレ第1弾の専用ケースは約半年後の第2弾向けと同時期の発売で、この時はまだ無塗装バス自体が流通していませんでした。

シークレットにもプレミア的な価値は全く無かった当時、リスクが大きいこのセットを購入したのはそれほど多くなかったのではないかと思います。後日イベントにて当時の担当の方にそれとなく伺った際も厳密な数は不明なものの「知れた数」との事でしたので、曖昧さを加味しても大した数ではない事には変わりないでしょう。また、当日の様子を記録されていた方によるとこのおまけについてもブラインドだった為、結果的に5セット購入してもコンプリートする事は出来なかったそうです。
その後11月に第2弾の専用ケースと同時に第1弾用も発売され、MP118の無塗装バスは一般的な手法で入手可能になった代わりに、選ばれなかったBX352はこの時限りとなってしまいました。〜こんな成り行きですのでレア度はMAXレベル。かつてATB MODELSさんが「スーパーシークレットアイテム」と書かれていたのも頷けます。



成型色は完全な白ではなく若干紫色(藤色)掛かった色で、他の無塗装バスでこの成型色は見た事がありません。
内装パーツの違いで2種あります。

取材協力:かねよし氏




エアロスターM 中引き戸+セーフティウインド無し仕様 無塗装バス

おっかしいなぁ… 一見してお気付きの方は結構なバスコレ通かと思われます。
バスコレ4弾で登場したエアロスターM。当時中引き戸仕様+セーフティウインドが無いタイプは一般製品には存在せず、どうしてこんなものが存在するのだろうと首を傾げたものです。単純に部品を間違えたエラー品なら兎も角、一体成型のボディーとして存在するという事はつまりスライド金型をわざわざ組み替えて射出成型したという事、何らかの意図があった事に間違い無い訳です。

この個体について最初に情報を頂いたのは確か2006年頃。その時は試作品の類で一般には入手出来ないであろうものとしてリストからは除外しておりました。ところが後日読者の方から立て続けに2件「バスホビーガイドのおまけに変なものが入っているのですが」との一報を頂戴し確認すると… 何とあの時のものではないですか! さらに後日、練馬の豊島園で開催されていたイベント(イベント名は失念)にて売られていた無塗装バスの中にもこの仕様のバスが混ざっているとの一報を頂き、早速代理購入して頂いた記憶は今も鮮明です。こうした経緯から、かなりイレギュラーなケース且つ数も相当に少ないと思われるものの、僅かながらでも一般に入手出来る可能性はあったという事で強引にリストに書き加えたものです。

※ネコ・パブリッシングが刊行するモデルカーズ2005年8月号の増刊としてバスホビーガイドが発刊されました。初版の付録は96MCノンステップ又はエアロスターMの無塗装バスのどちらかで、エアロスターMだった場合は通常ならセーフティウインドが付いた中引き戸仕様が封入されています。



その後このボディーについての情報も無く製品化の兆しも無いままでしたが、先頃発売された江ノ電オリジナルバスセットXの510号車でようやく実現しました。テールランプが角型仕様で作られている事から完全に同じ形ではありませんが、例えば神奈中さんを作るならこれを種にしてみると良いかと思います。

神奈中と言えば……

※ここから憶測が入ります
恐らくこの個体の素姓はバスホビーガイド絡みで作られた試作品ではないかと推測しています。例えばこの形態も"おまけ"の候補に入っていてその検討用の試作品だった…と言ったケースです。それが何らかの手違いや工場での混入など企画者の意図とは別のところで表に漏れ出てしまったのではないか?? そう言えばこの本の97ページには付録のバスを使った作例として同型神奈中が紹介されている事も「作例は改造したものではなくもしかしてこれを使ったのでは?」と私の邪推を補強させます。ただし、これらを裏付ける術はなく残念ながら正確な情報は判りません。事実としては超低確率で本の付録に入っていた事、たまたまイベントに出掛けた方ならもしかすると入手出来た可能性があった…この2点だけです。偶然の巡り合わせに頼らざるを得ず、リストには入れたもののこれをコレクション対象にするには少々無理があるかも知れません。


お手元の未開封品、もしかしたら……??

取材協力:J.S様 T.H様




立川バスオリジナル リラックマバスセット・登場時仕様

2014年10月18〜19日に小田急海老名検車区にて開催された小田急ファミリー鉄道展で販売された立川バスの限定品です。元々の事業者限定品に更なるカスタマイズを加えたこれまでに無い手法を取った商品で、初日が80個+2日目が70個=合計150個限定で発売されました。価格は同年2月に発売された通常のリラックマバスセットの2100円に対しこちらは2900円となっています。

通常のリラックマバスセットと登場時仕様の違いについて詳細を表示/非表示


一番の違いとなる前面はご覧の通り一般車と同じ仕様になっており、頭部の方向幕周りも白で上書きされています。後面についてはH728号車(黄色)は窓パーツ・J730号車(水色)はボディーに表記してある「ドライブレコーダー装備車」が消されています。方向幕/LED標示に変更はありません。(画像にマウスを載せると異なる部分をハイライトします)


左側面にも違いがあります。両車共通として、エンジングリルが一般車と同じ赤白のストライプ(ほぼ赤)に上書きされています。 その他中扉後ろのPasmo/Suica(バス得)表記とその横の立川バスが消され、H728号車はバス共通カード取扱車に、J730号車は単体のPasmo表記に上書きされています。(画像にマウスを載せると異なる部分をハイライトします)


右側面については違いは無さそうです。H728号車のホイールが黄色から白に変更(これも上書きによる)されています。
品番はH728号車がK114・J730号車がK115で通常のリラックマバスセットと同じです。


上掲無塗装バスを除けばバスコレクションの中でも屈指の少なさって…一体どんな製品なのだろう?? これを確かめるべく当日は前乗り&徹夜並びで挑みました。購入したモデルをよくよく観察すると、上書き部分が若干ザラザラした質感である事や、横方向に走査痕のような線が見える事から、限定品の上にミマキ製に代表される無接触プリンターで上書きする手法で違いを表現しているのではないかと思われます。同じ手法で箱の右上に「登場時仕様」と表記が入っているのもワンポイントです。画像のようなコピー用紙に印刷されたミニパンフレットも配布されました。

もう一つ興味があった点としては、メーカーが主導したものなのか or 立川バス独自の企画なのか〜です。品番に変更が無い事や、元々の印刷の上に上書きされている事(今時この手法をメーカーが使うとはちょっと考えられない)、余りにも数が少ないなどから、メーカーは関与しおらず、立川バスが独自に在庫品に手を加えて発売したものではないかと個人的には予想しております。だとすると大人の事情的に「良く出せたなぁ」〜となりますが…これはまぁ外野が論じる話では無いでしょう。何れにせよ謎多き品物である事は確かです。

関連記事: 通常の事業者限定品〜リラックマバスセットについてはこちらを参照ください





○○バスオリジナルバスセットのまがいもの

上で取り上げたエアロスターMの無塗装モデルに増して怪しい一品… 2014年4月初め突如ヤフオクに見知らぬ限定セットが出品されました。……そう、2014年4月と言えばまだ事業者限定は発表さえ無かった時期で正に寝耳に水の出来事だったのです。本物か否かなど随分と話題になったので、当時からバスコレを趣味にしている方ならご存知の事でしょう。
初回は即決1,800円、二回目・三回目と繰り返し出品され(徐々に即決価格も高値に)4〜5個程度は落札されていたと記憶しています。出品元は海外(中国)でした。



実際は如何なのか。本物なのか贋物なのか諸事情を排除して率直な目線で比べてみた場合、、、

ご覧の通り品番の印刷までそっくり。正規品との違いを各アングルからの画像で比較をと思いましたが、そんな必要な無いほど違いが判りません。厳しい目で見ればエアロエースの前面にあるロゴに若干欠けがある以外違和感は無く、これもよくある印刷ミスと言ってしまえばそれで納得してしまう程度です。エアロエースの客窓最前部がきちんと固定窓だったりしたら「おっ!」となったのですけれども、こうした部品の流用まで構成は同じ。(正規品では最前部のT窓のサッシを印刷しない事で代用している→実車は固定窓)付属のステッカーまでそっくりです。

仮にメーカーとは無関係な第三者が勝手に金型を作り・多くの工程を経て完成させ・更にバ〇コ〇や〇〇バスなどと許可なく名を使って売る=正規ルートではない方法で販売したとして一体幾らの収益になるのか…一般的に見て、金型への投資分なぞ先ず間違いなく回収不可能と思われます。そうした事も考慮した上であくまで私の個人的な見解を書くなら、これを別物と見るには無理があるのではないか…モノ自体は「本物」と判断せざるを得ないでしょう。




判り易い違いは外箱だけ。左が当該品・右が正規品です。当該品は一般的な窓付きの箱で、背面の一部にミスがあったところをシールで修正していたようです。正規品は蓋が付いたラップトップタイプになっています。各面それぞれのイメージは似ているものの、よく見ると全ての面でデザインは異なっています。



当時のキャプチャ画面。送料はEMS指定で3000円。

実はこの品は載せるかどうかとても迷いました。今更蒸し返すのも藪蛇になるのではないかと… しかし既に5年の時を刻んでいる事、無事に正規品が発売された事、何より覆しようのない明白な実事である事からバスコレの歴史の一端として取り上げておく事にしました。何れにせよメーカーも事業者も関わりを認めておらず、私見ではモノ自体は限りなく本物と感じたものの、やはり正規の流通経路を辿っていないものという事もあり、扱い上は『まがいもの』としておきたいと思います。

取材協力:F.Y様




千葉内陸バス TOMIXデザインバスの非売品

2018年4月27日に発売された同製品ですが、それ以前に関係者向け又は一部販売店展示用に配布された先行品です。パッケージは白の無地台紙に簡単な説明書きを印刷したステッカーで表現されていますが、よく見ると「ハイブリッドバスお披露目会・試乗会・2017年12月18日」との記載があります〜〜という事は、恐らくこの日に新車お披露目会が開催され、これに列席された関係者に配られたものと思われます。 また、こちらのツイートにも同様の製品がありますので、一部の小売店にも展示用として極少数配られた可能性があります。

一般流通品と非売品の違いについて詳細を表示/非表示


当該非売品が左、一般流通品が右になります。
一番目目立つ違いはLED表示器やナンバープレートの印刷が施されていない事。国土交通省認定マークや京成グループのロゴも印刷されていません。お披露目会向けと言う事で実車のナンバープレートがまだ確定していない段階での製作だったのかも知れません。また、車椅子マークの青も本製品より明らかに薄い色で印刷されています。


左側面もやはりLED表示器・国土交通省認定ステッカー・京成グループのロゴ・さらに屋根肩の「千葉市低公害車普及促進事業補助金交付車両」の印刷がありません。


右側面についても同様。京成グループのロゴと屋根肩の文字が印刷されていません。屋根上の車番は印刷されています。

一言で書いてしまうと「試作品ような形の製品」〜と言う事になるでしょうか。


元ネタは1990年に発売されたTOMIX品番「3512:富士重工路線バス」のフリーランスカラーを実車にラッピングさせた格好ですね。1975年に創業以来40周年と言う事もあり、元々塗色が似ている千葉内陸バス初のハイブリッドバス投入とコラボさせた形となるのでしょうか。実車にラッピングを施した訳ですから社内的にはそれなりに肝入りの企画だった→記念品代わりに急遽製作したと言う流れなのかも知れません。裏面にはしっかり「非売品」と記載されています。また、シャシーの品番は一般流通品と同じくN170で印刷位置等も全く同じです。
模型ファン的な目線では現代のバスコレクション(16弾製品など)7Eツーステップバスに同様の印刷を施すか、いっそ三菱G4タイプを新規製作して1979年に発売された「3501:三菱ふそうバス」とそっくりなパッケージ&2台セットの構成で進化の対比が出来るセットだったら40周年記念と言う意味合いも込めてとっても盛り上がった(気がする)のですが、これはこれで売れないかな…

※関係者のみの品物や試作品の類は基本省いておりますが、直接バスコレの企画に関わらない方にも配られた可能性が高いという事でこちらに掲載いたしました。何れにせよコレクションアイテムとしてはハードル高過ぎですね…(涙

取材協力:F.O様




THE バスコレクション バスコレ子クリアファイル 2004/2005年版

珍品堂最後はまさかのコレ子さん(笑 古くからのファンだったら記憶にある方もいらっしゃるでしょうか。
第43回静岡ホビーショー2004と翌年の第44回静岡ホビーショー2005で頒布されたバスコレオリジナルのクリアファイルです。2004年に「バスコレ子さん」として当時流行りだった"萌え"要素を取り入れたこんな企画が始まりました。同時に約1/16スケールのバスガールフィギュアも発売され、後にバスコレとは切り離した企画「バスむすめ:bus☆musume」へと展開されました。

バスコレ子公式特設ページ(コレ子の小部屋) まだ残っていたとは…

その中でも今回取り上げるのはクリアファイルです。フィギュアは一頃そこそこ値が付いた事も手伝ったのか、はたまた実は"萌え"も併発している方が多かったのか目出度く完売。今も中古市場でまま見掛ける事があります。これに対しクリアファイルは話題にされる事もなくいつの間にか忘れ去られた存在になってしまいました。まぁグッズとは言え模型ではない実用品ですから当然の成り行きではありますが、今web上を漁っても殆ど情報が出て来ないのはちょっと寂しい…懐古ネタの一つとして残しおく事にしました。
需要は兎も角として、実際今手に入れようと思うとかなり侮れない品…入手の困難さは下手なレア品より厳しいかも知れません。



こちらは2004年版。3枚セットでそれぞれしっかり品番も振られています。

・CF01:緑色系 バスコレクションタイトルカット 小早川礼子
・CF02:緑色系背景 小早川礼子イラスト
・CF03:小早川礼子 北村くれは ツーショットイラスト

CF03では小早川礼子の後輩・北村くれはが初登場しています。



こちらは2005年版。

・CF04:茶色系 バスコレクションタイトルカット 北村くれは
・CF05:ピンク色系背景 北村くれはイラスト
・CF06:小早川礼子(夏服)イラスト 富井バス山中車庫にて

価格はそれぞれ3枚セットで税込み500円だったと仰る方が多いものの、メーカーへの取材では「500円だった気もするけれどもうちょっと高く設定気がする」〜と何とも曖昧な答えしか返って来ず。もし詳しくご存知の方いらっしゃいましたら是非情報お寄せ頂けると嬉しいです。


クリアファイルと言えば、2013年に壬生町おもちゃ博物館にて開催されたバスコレ10周年イベント・トミーテックバス祭り(ジオコレアーカイブ展)でも3枚セットが発売されています。こちらはセットに対しての品番が25278、クリアファイルそれぞれには品番は無く、絵柄は「立石あやめイラスト・北村くれは&小早川礼子イラスト・井鈴みおイラスト」となっていました。真ん中=青色系の裏面一番右には金沢西子が特別出演しています。

価格は3枚組で1000円(税率変更後は1028円)。一時は大宮のトミックスワールドでも販売していたようですが、現在では取り扱っていないようです(と言うかトミックスワールド大宮自体が閉鎖移転) こちらはまだ日が浅い事もあり、珍品堂入りの有力候補は間違いないものの少し様子を見る事にします。そう言えば、当時右の子供=井鈴みおのフィギュアの試作品を何処かのイベントで見た事がありましたが、どうやらこちらは発売されなかったようです。



もう一丁おまけ。CF06と同絵柄のマウスパッドも存在しました。品番は不明。
こちらは2006年晴海で開催された東京都交通局主催のバスの日イベントにて税込み500円で頒布されました。

取材協力:D.K様



さてさて、バスコレ珍品堂はこんな感じで一区切り。今後またちょっと見ないぞ的な品が出ましたら追記出来ればと思っています。次のページからは珍品までは行かなくとも若干レア要素が含まれるAやKDと言った特殊な品番〜白バスのまとめなど、暫くカタログ要素の強いページが続きます。下のリンクから「2-1」をどうぞ^^

1.バスコレ珍品堂
3.白バスミュージアム
5.
6.
7.





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