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<THE バスコレクション タカラトミー株主優待特典 2014年版封入品>



  出荷時期:2014年8月21日頃から配布開始  品番:K127 価格:---(株主優待特典:非売品)


  初版アップ:2014年09月06日



今回はタカラトミー2014年版株主優待特典に封入されている、バスコレクションBX352について取り上げてみます。掲載のものは100株以上の保有者向け、バスコレクションの他に、エルガのトミカが封入されています。1000株以上の場合はこれにリカちゃん人形が付くようです。株主名簿確定日は2014年3月31日で既に公式から入手する術はありませんが、今ならネットオークションに多数出品されていますので、送料込みでも1000円前後で入手出来そうな雰囲気です。

発表当初はリバイバルカラーのエルガ登場か!?とも受け止められる文言から多少なり色めき立ったものの、蓋を開けたらBX352・・・ ぶっちゃけ「ズコーーーーーーーーーー」となった感は否めませんが、やっぱり気になるのは確かな訳で、どんなものかと開封してみました。

同じ事業者の同じ車種/同じ色としては4回目の製品、何故だかよく反復される車です。
ついでですので、これら過去の製品も含めてレポしてみたいと思います。





《過去製品:バスコレ第1弾》 品番001

プロトタイプ 特徴 方向幕 車番 成型色 対応動力
いすゞBX352 金澤産業ボデー 中折り戸
(ツーマン)
小滝橋車庫前 Eあ1112 非対応

遂に500種を超えたTHEバスコレクションの記念すべき品番001! 全てはここから始まりました。
今となっては模型と言うよりもミニカーの雰囲気を醸し出す製品ではありますが、バスのスケール模型が乏しかった当時としては良く出来た造形とディティールを誇るモデルでした。 今のように些細な部分の色入れや表記類・作り分けもありませんが、頃合の良いバランス感は当時の方が優れていたように感じる事もあります。 発売は2003年5月。



《過去製品:都営バス歴代カラーセット封入品》 品番E001

プロトタイプ 特徴 方向幕 車番 成型色 対応動力
いすゞBX352 金澤産業ボデー 中折り戸
(ツーマン)
大手町会場-晴海会場 Eあ1692 非対応

2003年8月に開催された第4回国際鉄道模型コンベンションにて発売されたイベント限定品(都営バス歴代カラーセット)に封入されていたものです。 品番にEVENTの「E」を冠し、以降イベント限定品を定義する特徴となります。 第1弾通常品との主たる違いは車番と方向幕になりますが、細かく言えば裾のデカールの印刷方法にも若干違いがあり、第1弾は黒のドットによるグレースケール表現、こちらは4色印刷を用いたグレー表現で、ルーペで覗くとその違いが判ります。 その為か、こちらの製品は若干赤味掛かったイメージに見えます。

第一弾とこの製品はベースは吹き付け塗装によるものの、塗装の一部や表記類はデカール貼り付けによって表現されています。 ベースの塗装はIPAや一般的な模型用シンナーでは落ちません。



《過去製品:都営バス2台セットA封入品》 品番N035

プロトタイプ 特徴 方向幕 車番 成型色 対応動力
いすゞBX352 金澤産業ボデー 中折り戸
(ツーマン)
東京駅乗車口 2あ1946 灰よもぎ 非対応

前作から8年の時を経て、2011年6月に発売された「都営バス2台セットA」に封入されているものです。
これと以前のものを比較すると、細かい色入れや表記類の追加表現など、タンポ印刷を駆使した印刷技術の向上が顕著に判る仕上がりになっています。 複雑な形状のグリルやボンネット周辺〜サイドウインカーやグリルの鼻筋・エンブレム等の表現を見ると、大量生産品の印刷でよくここまで色を入れられるな…と関心さえします。 マーカーランプも前後で色を分けて正しい状態になりました。



品番K127 ※本題=株主優待セット封入品

プロトタイプ 特徴 方向幕 車番 成型色 対応動力
いすゞBX352 金澤産業ボデー 中折り戸
(ツーマン)
北砂町五丁目
(葛西橋経由)
Sえ289 よもぎ色 非対応

今回の本題、株主優待セット2014に封入されている製品です。
基本的には一つ上のN035とほぼ同じ過程で製品化されたと思われます。 塗装印刷も今時クオリティで大きな不満はありません。 ただ、ベースの色が毎回違う、、、これは相変わらず。
品番はこれまで「事業者限定品」(外注品)に使われていた「K」を冠しているのが意外です。

経由の「経」は実際の製品では略書体を使用しています。





ぱっと見て感じるのは、やはりベースの色が随分異なるなぁ〜でしょうか。 もし私がバスコレで嫌いな点を挙げるなら、この製品毎に異なる色が3指に入ります。 今に始まった事ではない&ほぼ毎回な事もありもう指摘する気にもなりませんが…

初期の2製品(001/E001)はほぼ同じイメージの淡いグリーン、N035は灰色に近い随分とくすんだイメージ、今回の優待セットは以前の製品と比べ青っぽいグリーンとなっています。 何しろ実物を見た事が無い為、どれが正しいか私には判断は出来ません。



内装パーツもそれぞれの製品で色が違っています。
初期の2製品は緑色、N035は明るいグレー、今回のK127は何と無塗装です。

余談になりますが、内装パーツはバスコレのBX352では唯一作り分けされているパーツで、中でも前向きシートは第1弾国鉄バス(品番:011)と京浜急行のシークレット(品番:S01)にみに使用されている何気にレアなパーツです。 シャシーは後部に装備されるスペアタイヤが別パーツで取り外せるのが特徴ですが、後に発売されたBXD30とは違いフロントの泥除けとグリルはシャシーと一体で分離出来ず、成型色も黒が基本となります。



最後に小ネタを一つ。

車番を見て「あれ?」っと思われた方は相当な都営バスファンかも??
現在の付番方法になったのは昭和40年度の事だそうですが、それ以前は頭のアルファベット=所属営業所、次の平仮名と以降の数字は自動車登録番号=つまりナンバープレートの番号を表記していました。

例えば、
『 Eあ1112 』 → 小滝橋営業所に所属する登録ナンバーが「あ1112」の車
『 Sえ289 』 → 洲崎(現深川)営業所に所属する登録ナンバーが「え・289」の車
〜〜となります。

そうすると謎なのがN035。 頭が数字…… 数字の略称を持つ営業所なぞありませんので、以前から何でだろう?と思っておりましたが、これはどうやら新製時(納車時)の表記だったようです。
当時納車時点では営業所の略称は表記されておらず、その代わりに登録ナンバーを表記する慣例があったそうです。 頭の数字は1〜3があり、ナンバーの分類番号(バスの場合は2・22・200など)の「2」ではなく、品川・足立・練馬を指す独自番号だそうです。恐らくですが、バスコレ製作時に使用した資料が営業前の写真だった為、それをそのまま製品化→営業時にはあり得ない「2」が表記されてしまった・・・開発秘話とまで大仰な話ではありませんが、そんな裏事情がこの表記から垣間見えたりします。

また、ご教示頂いた識者の方によると、頭の数字の3は練馬で確定、1と2は調査中との事でしたが、方向幕の印刷にある「東京駅乗車口」が資料写真のままだった場合=つまり現車にもその方向幕が組み込まれていたと仮定すると、当時東京駅乗車口に乗り入れていた営業所→新宿又は洲崎(今の深川)→新宿は練馬ナンバー=3なので選外→残った洲崎は足立ナンバーである事から2=足立、自動的に1=品川、納車時に表記されていた頭数字のルールはこうなる可能性が高くなります。 この辺のきちんとした調査はその道の専門家にお譲りしますが、バスコレ1台からこんな推測に発展するとは・・・ちょっと驚き。

コアなバスコレ&都営バスファン向けのネタでした^^





話が前後しますが、箱はこれまでの優待品と同様ラップトップタイプを使用しています。 鉄コレ2両セット向けの箱とも微妙に大きさが異なります。 裏は社長挨拶。



このような個装パッケージが銀色の台紙にはめ込まれています。 ただ、台紙との固定にはとっても粗悪なセロファンテープが使われており、既にベットベトなのはちょっと頂けないです。



本線ではないので簡単に。 同梱されているトミカです。
トミカにエルガってあったっけ??な気もしますが、詳しくないので明言は避けます。
LED表示はお披露目撮影会の時に掲出していたものを割と忠実に再現しています。


■関連ページ

バスコレパーツ構成一覧表


■謝辞

B5101様、都営バス資料館様、ご協力有難う御座いました。御礼申し上げます。





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