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TOMYTEC THEバスコレクション 第16弾
富士重工 7E (UD/日野シャシー・標準尺)・西日本車体(京成車体)42MC

  発売日:2010/11/18  初版アップ:2010/11/23/3:00  最終更新:2010/12/10:追記(不思議なモールド)




地域差もあるとは思いますが、大本命と言って良い富士重工17Eボディー(7E)と、主に西日本でかまぼこの俗称で親しまれた西日本工業製42MCが発売されました。工作する者としてはネタが尽きない7Eの発売は正に待望の〜であり、今正に何に化かそうか思案を巡らせている方も多いことでしょう。 フルサイズボディーの前面窓が発売されたことで、9弾製品と組み合わせて初期型ノンステップも作れそうですし、工作趣味人にとっては長く楽しめそうな製品です。

42MCの方は京成車体のスタンディーウインド(バス窓)仕様と47MCとも云われる独特の角Rが大きなサッシ窓を持つ仕様が製品化されています。 一説には西工社内では53MCを除いて年号表記=42MC(41MC)ではなく西暦表記の66MCと呼ぶのが正しいとの説もありますが、ここでは製品説明にある42MCと呼称する事にします。

前置きはどうでも良いですね。製品を観察して気付いた点等簡単にレポートしてみました。
(今後また気付いた部分があれば追記して行きます)


関連ページ バスコレパーツ構成一覧表



■製品画像


●181:南越後観光
タイプ : 日野シャシー・標準床・前折中引き戸
方向幕/社番(登録番号) : 十日町・長岡200か347
成型色 : 銀



●182:小湊鉄道
タイプ : 日野シャシー・標準床・前折中引き戸
方向幕/社番(登録番号) : 茂原駅・袖ヶ浦200か524
成型色 : クリーム



●183:関東バス
タイプ : UDシャシー・低床・3ドア
方向幕/社番(登録番号) : 鷹10 武蔵野営業所・B5154 多摩22か5064
成型色 : 薄アイボリー



●184:西武バス
タイプ : UDシャシー・低床・前折中引き戸
方向幕/社番(登録番号) : 飯20-2 飯能駅北口・A9-590 所沢22か1862
成型色 : 薄ベージュ



●185:西東京バス
タイプ : 日野シャシー・標準床・前折中引き戸
方向幕/社番(登録番号) : 川口経由 京王八王子・八王子22か501
成型色 : 薄からし



●186:京浜急行バス
タイプ : UDシャシー・低床・前折中引き戸
方向幕/社番(登録番号) : 4 磯子駅・A7145 横浜22か7265
成型色 : 銀



●187:遠州鉄道
タイプ : 日野シャシー・低床・前折中4枚折り戸・丸型後退灯
方向幕/社番(登録番号) : 80 磐田駅 浜松駅・浜松22か2674
成型色 : 銀



●188:京都バス
タイプ : 日野シャシー・低床・前折後引き戸
方向幕/社番(登録番号) : 63 映画村/嵐山 すずむし寺/苔寺・京都22か5972
成型色 : 薄クリーム



●189:西日本JRバス
タイプ : UDシャシー・低床・前折後折戸
方向幕/社番(登録番号) : 橋場町森本/福光駅・金沢200か52
成型色 : 白



●190:京成バス
タイプ : 前折中引き戸(京成車体)・スタンディーウインド(バス窓)
方向幕/社番(登録番号) : 上34 市川駅(リア 京成電鉄)・足立2い3321
成型色 : 白



●191:大阪市交通局
タイプ : 前折後引き戸・サッシ窓
方向幕/社番(登録番号) : 91 鶴町四・26-2547 大阪22あ2547
成型色 : 薄クリーム



●192:西日本鉄道
タイプ : 前折中4枚折り戸・サッシ窓
方向幕/社番(登録番号) :7 天神経由博多駅・2334 福岡22か721
成型色 : 灰白



●S024:シークレット:京浜急行バス(貸切兼用車)
タイプ : UDシャシー・低床・前折中引き戸
方向幕/社番(登録番号) : 京浜急行・A7271 横浜22か7714
成型色 : 灰白

通常品はきちんと再現されている左側面の社番が、シクレでは右にシアーしてしまっているのがちょい惜しい。 京急は常に文字の上が前側に倒れていた=左側目は左に、右側面は右に倒れていたと記憶しています。 側面幕の営業所名と電話番号は承認で弾かれたかな?
あ、、そもそも実車は標準床だったっけ?? 重箱の隅突付きでした(汗



●ケース付属の白バス
パーツ構成は京浜急行バス(ノーマル・シクレ)と同じUDシャシー・低床・前折中引き戸タイプで、屋根上機器を除けば西武バスのそれとも同じです。

タイプ : UDシャシー・低床・前折中引き戸
成型色 : 灰白




■7Eの特徴


<7Eの前面/後面ディティール・作り分け> 上2枚の画像は少しだけ大きな画像にリンクしています。
7Eの前面については全て共通で、上画像のグループ(UDシャシー)と下画像のグループ(日野シャシー)でも作り分けはないようです。後面についてもシャシーを問わず共通ですが、唯一遠州鉄道のみ後退灯が丸型になっています。また、遠州鉄道のテールランプは3連になっていますが、内側の一つ分は印刷表現で、モールドとして見ると普通の角型2連テールです。


えーーー何か足りないですねぇ…
試作品で存在した柿種テール仕様は何処行ったん?? 富さん『また』隠したな(笑
証拠画像 @静岡ホビーショウ↓





<左側面(ドア側)窓ガラスパーツは6種>

・UD 前折中引戸用サッシ窓
UDシャシーで中扉が引戸のボディーに対応したパーツ <メーカー品番:G334>
 →西武バス / 京浜急行バス / シークレット / ケース付属の白バス

・UD 前折後折戸用サッシ窓
UDシャシーで後扉が折戸のボディーに対応したパーツ <メーカー品番:G337>
 →西日本JRバス

・UD 3ドア用サッシ窓
UDシャシーで3ドア用のパーツ <メーカー品番:G336>
 →関東バス

・日野 前折中引戸用サッシ窓
日野シャシーで中扉が引戸のボディーに対応したパーツ <メーカー品番:G338>
 →南越後観光 / 西東京バス / 小湊鉄道

・日野 前折後引戸逆T窓
日野シャシーで後ろ引戸用逆T窓パーツ <メーカー品番:G340>
 →京都バス

・日野 前折中4枚折戸用メトロ窓
日野シャシーで中4枚折戸用メトロ窓パーツ <メーカー品番:G339>
 →遠州鉄道



<右側面(運転席側)窓ガラスパーツは4種>

・UD サッシ窓
UDシャシーでサッシ窓のタイプ <メーカー品番:G341>
 →西武バス / 京浜急行バス / シークレット / 関東バス / 西日本JRバス / ケース付属の白バス

・日野 サッシ窓
日野車シャシー用のサッシ窓タイプ <メーカー品番:G343>
 →南越後観光 / 西東京バス / 小湊鉄道

・日野 逆T窓
日野シャシー用で逆T窓タイプ <メーカー品番:G345>
 →京都バス

・日野 メトロ窓
日野シャシー用でメトロ窓タイプ <メーカー品番:G344>

G334、G336、G337、G338、G339、G340、G341、G343、G344、G345・・・
早速G335とG342が飛んでますねぇ…って事で、16弾製品では使用していない何かがあると予想。
UDシャシー用の逆T窓に一票(笑



<シャシの作り分け>
シャシーはC31/C32/C33の3種を使用しています。
UDシャシー用のC31と日野シャシー用のC32/33では、フロント/リアオーバーハングの取り方の違いで軸位置が異なる事が判ります。
ホイールベースについては、実車でUD=5240mm 日野=5200mmと僅かな差(1/150換算0.267mm)ながらそれも再現されているようです。

日野シャシー用では標準床と低床で作り分けられており、フレームの厚みと軸支持部分の高さを変える事で、モデルでもきちんと全高に差が出るようになっています。 UD車は低床のみ製品化されています。



標準床車と低床車はシャシーだけの違いではなくボディーも各所寸法が異なっています。
バンパー下端とステップの下端の高さの関係、ボティー腰部の高さ、タイヤハウスとパネルラインの位置関係など細かく作り分けています。 従って切り継ぎ等異なる種車を繋ぐ場合はそのあたりも考慮する必要があります。



<内装パーツの作り分け>
内装パーツは扉位置の違いにより3種を使用しており、UD/日野共通パーツとなっています。
何れも新規パーツですが、前回エアロスターで見られた運賃箱とシフトノブの表現は無くなってますね。



クーラーは全て共通パーツ。微妙な曲線と直線を組み合わせた形態を非常に良く捉えていて好感が持てます。 また、今回西武バスに一つだけ乗る押し込み通風機が地味に新規で起こされています。
これら屋根上機器については、(私が購入したものでは)今のところ取り付けに接着剤は使わている様子は無く、すんなり外す事が出来ています。



<方向幕の表現など>
方向幕の表現は前回エアロスター同様窓の内側から印刷されています。 また、今回からはリアも同様に表現され、方向幕の枠だけ表面に印刷する事により立体的且つ実感的になりました。
〜となればどうせなら側面も、、となりますが、側面については従来同様表面に印刷されています。

今回唯一LED表示機な西武バスは前回エアロスターとは違い文字/下地の黒共々窓に印刷されています(エアロスターは文字だけ窓印刷・下地の黒はボディー側) 逆に遠州鉄道の前面方向幕横の緑色の部分(他事業者では黒色の部分)は窓側は透明のままで緑色はボディー側に表現されています。



<リアウインドの外し方> ↑この画像は大きな画像にリンクしています
今回は内側からはめ込む方式になっています。
先ず側面窓を外しますが、側面窓はリアウインドにモールドされている突起状のツメに引っ掛かるようになっている為、すんなり外れない事があります。 その場合は若干リアウインドを内側から押しながら側面窓を内側に倒すと良いでしょう。 倒せたら側面窓>リアウインドの順に外します。



<不思議なモールド?>
今回ドア側(左側面)の窓パーツだけ不思議な造形が見られます。
UD用と日野用の誤使用を避ける為とも考えましたが、そもそも窓の位置が違うので間違ってもはめ込むことは出来ないですし… 工員さんが組み立てる上でシャシーを組み込み易いように窓を抑える役目をするのかな?

==追記==
バラしてみて判ったような…
これ、UDと日野で違う取り付け穴を使うクーラーの組み間違いを防ぐ為?
今回屋根には使う側使わない側共に穴が開けられている為、間違った位置にクーラーのボスが刺さっていると窓がはまらない(間違いに気付かせる)仕組みだと推測。
UD用の窓は前側、日野用の窓には後ろ側の穴を塞ぐように邪魔する突起がモールドされています。


■西日本工業42MCの特徴


<前面は共通・後面は2種を作り分け>
前面はぱっと見たところ違いは見つからず全て共通なようです。
前面窓ガラスは京成だけ4分割窓が表現されていますが、コーナー部分のピラーは印刷表現ですので、パーツ自体は共通です。 また、前面窓に印刷された「ワンマン」表記は何故か大阪市と京成は裏から印刷され実感的になっているのに対し、西鉄は表面に印刷されています。

後面については、京成バスのみエンジングリルが多数開口しているタイプです。



<側面はそれぞれ専用形態
西鉄はサブエンジン式の冷房車をプロトタイプとして、右側面に冷房機器用のグリルが表現されています。 よく見ると、西鉄だけ前扉の窓が細身になってますね。

大阪市交通局は特徴である巻き込み防止カバーが表現されました。 このような表現を盛り込むと汎用性が無くなってしまう事から、メーカーとしてはやり難いのではないか?と想像していましたが、今回見事に再現されています。

京成はスタンディー(バス窓)仕様で、後面の形態も合わせて比較的初期の形態だと思います。
尤も、西工純正ではなく京成車体ですので、初期の頃しか製造されていなかったそうです。

一つだけ気になるのは、前扉や側面最後部の小さな窓のHゴムは窓側表現なのに、運転席の下や京成のスタンディーウインド(バス窓)はボディー側表現と少しちぐはぐになっています。
構造上問題があるのか、プロポーション的に上手く行かないのか判りませんが、出来れば統一(個人的には全て窓側にて)して欲しいと感じました。



<屋根上>
当然のように屋根上も各事業者別に作り分けています。 機器は全てボディー一体成型で取り外す事は出来ません。 京成は初期型の特徴である後部のダクトが長くなっている形態を再現しています。
このダクトの開口部分はスライド型を駆使してより立体的に表現されました。 ただ、開口部分をよく見ると屋根表面が盛り上がっており、この表現はプロトタイプがそうなっているのか、単なる金型のズレなのか気になるところです。 詳しい人教えて〜〜



<シャシーパーツは1種・内装は2種>

シャシーパーツ(C-28)・内装パーツ共に15弾北村用のもと共通部品になっています。

左:前中扉用(前向きシート)
 →京成バス / 西日本鉄道

右:前後扉用(前向きシート)
 →大阪市交通局



こちらの側面窓は天井裏で突き合わす形になっています。
かつてボディ中央部に良く見られたゴツい柱は、後に予定されている走行システムとの絡みで今後は無くなるのでしょうね。



■後記

ざっと見た限りこんな感じでしょうか。
形状把握や仕上がりも卒なくまとまっていて、今回16弾製品の出来栄えは個人的には高評価です。
正直馴染みの無い42MCもモデルを手に取ってみるとなかなかのものと感じました。

〜とあんまり提灯記事ばかりを書いても面白くないかな? あえて苦言も書いておきましょうか。

待ちに待った7Eの製品化!本来なら「待ってました!!」と諸手を挙げて万歳三唱なのですが、なんでしょうこの今一歩盛り上がらない妙な感じ… 7Eは路線バスの中では(特に東日本エリアでは)大本命の一つとも言える車種ですから、7E:42MC=9:3の商品構成は良いとして、その9が全く生かされていないと感じるのは私だけでしょうか? 純正指定のUDの方がレアな日野より少なく、さらに作り分けも日野の方が凝っているって…ちょっとなぁ。 勿論事業者選択などには大人の事情もあるにせよ、本命と言える車種が発売されながら、何か違和感が残るこの感覚… そう、11弾キュービックや15弾エアロスター(何故にPKG-なん?)で感じていた「本命なのに肩透かしを食らった」的なマト外れ感は、価格上昇が顕著な昨今そろそろ勘弁して欲しいと云うのが正直な感想です。

最近は5台セットなどオープンパッケージでの販売にも力を入れているようなので、通常弾で拾い切れなかった部分を捕捉する感じでブラインド品とオープンパッケージ版を上手く組み合わせて製品化するような工夫に期待したいです。

さて、、何処から手を付けましょう…

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