BLOG-BILOG  No.029
<TOMYTEC THEバスコレクション 第13弾>
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  最終更新 2009/03/03(一部修正)




「THEバスコレクション第13弾」
三菱-呉羽エアロスターKとG4です。モノコックが大勢を占めていた幼少時、未来のバスとしてお絵描きしたそんなデザイン〜私の中では1・2を争う好きなボディーとあって、予告されてた時から発売が非常に楽しみでした。今回は両タイプ共短尺仕様をプロトタイプとしており、エアロスターK(8種)+G4(4種)+運が良ければシークレット1種の構成でアソートされています。 早速購入して来た13弾製品を観察してみました。

関連ページ バスコレパーツ構成一覧表

=おことわり=
・改造工作派向け〜弄る事を前提として書いている部分があります。
・便宜的にG4と書いていますが、三菱G4の呼称を呉羽でも同じように呼んでいたかは実際には不明です。



■製品画像


品番145:道北バス
(エアロスターK・中引き戸・角ライト)
元川崎市交通局からの譲渡車をプロトタイプとしているようで、フロントヘッドライトが角型である事や、屋根上ファンカバーがかまぼこ型である事がその特徴です。後ろにも屋根上マーカーが付いているのはこの製品のみです。
成型色=白



品番146:羽後交通
(エアロスターK・中引き戸・丸フォグ)
屋根上機器の様子や窓割りなど、こちらは元東京都交通局の譲渡車をプロトタイプとしているようです。
P-を意識したのかフロントバンパー内のフォグランプが丸型になっています。 ただし、柿種テールに補助ランプなし、リアバンパーも反射板のみといった形態が型として起こされず、他車と共用とされている為、これをベースに「厳密に」都営バスを作る場合はその辺りの修正が必要です。
成型色=白



品番147:東京都交通局
(エアロスター−K・中4枚折り戸)
以前の都営製品〜11弾製品に見られるちょっとなーーな塗装に比べれば色身や仕上げは随分良くなった方と言えましょう。U-を意識した仕様で製品化されているようです。
成型色=アイボリー



品番148:横浜市交通局
(エアロスターK・中引き戸・セーフティーウインドなし)
緑営業所・港北NT営業所に所属した短尺仕様をプロトタイプにしているようです。3弾製品から久しぶりにチョイスされた横浜市営バスですが、この旧塗装は初の製品化で、青帯の上下に入る細い銀帯など、上手く再現されています。
成型色=クリーム



品番149:しずてつジャストライン
(エアロスターK・後ろ折り戸・丸フォグ・観光型?テールライト)
側面小型幕と屋根上の長いファンカバーなどが特徴〜甲府線用のP-MP618Kがプロトタイプになっているそうです。 製品でもP-を意識しているようで、丸フォグは羽後交通とこの製品、リアバンパーに反射板のみと言った形態はこの製品のみの形態です。テールライトは特徴的な形態が再現されています。
成型色=アイボリー



品番150:京都市交通局
(エアロスターK・後ろ引き戸・逆T窓)
大阪市製品とは違いセーフティーウインドが付いた比較的一般的な形態を再現していますので、後ろ引き戸仕様の車両を作る際には、角テールならこれ、柿種テールなら富山地方鉄道〜と、種車として選択し易い形態かも知れません。
成型色=よもぎ色(薄緑)



品番151:大阪市交通局
(エアロスターK・後ろ引き戸・逆T窓・セーフティーウインドなし)
セーフティーウインドの無い形態+後ろ引き戸、側面窓パーツは京都市交通局と同型状で製品化されており、リアスタイルは補助ランプ等がボディーに無いすっきりとしたタイプになっています。タイヤは13弾製品では唯一、最近のノンステップ車等に使用されている扁平仕様を履いています。
成型色=アイボリー



品番151:富山地方鉄道
(エアロスターK・後ろ引き戸)
実車とはナンバーの位置や、リア補助ランプの有無、屋根上押し込みタイプベンチレター(3個)が乗っていないなど、ある程度流用や省略で作られているようです。まぁしかし、改造種車と捉えるなら、京都市と同様、非常に使い易い形態ではないでしょうか。個人的には… 後面・側面の「と」が萌えポイントです(^^
成型色=灰白



品番152:東京都交通局
(G4・中引き戸・広幅前扉+通し窓・リア方向幕付き)
三菱に比べ大きなリアウインドや、雨トイが後面に回り込まないツルっとした感じ、特徴的なヘッドライトベゼルの形状など、上手く形態を掴んでいると思います。シークレットが入るボックスの場合、代わりにこの車両が間引かれるようです。

MP107(117)の前身、MR系列への改造は、ホイールアーチやエンジン開口部形状の変更、ホイールベース等の基本寸法の違いなど、真面目に拘るとそれなりに手が掛かる感じです。
成型色=アイボリー



品番153:日本交通
(G4・後ろ引き戸・広幅前扉・リア方向幕付き)
広幅前扉を採用した車体に後ろ引き戸の組み合わせです。 前扉は都営製品とは異なり、上下分割タイプを再現しています。都営・日本交通それぞれ互いに持って来ると、扉の形態を変更する事が出来る予感がします。運転席側側面は都営と同じで、恐らく非冷房タイプをプロトタイプにしているように思います。
(窓は都営とは異なる窓割りになっています)

さて、、この画像でもおかしな部分が見えますね… これは後述します。
成型色=アイボリー



品番154:土佐電気鉄道
(G4・中折り戸)
後面に方向幕が無いつるーーーっとした感じ…堪らなく可愛いです^^ 運転席側側面は床下サブエンジン冷房車らしき形態になっており、窓も風洞が通る部分でしょうか、一部の柱が太くなっています。前扉はこの製品と沖縄バスは標準的な幅のタイプです。
成型色=白



品番155:沖縄バス
(G4・トップドア)
運転席側側面は土佐電鉄と共通、内装パーツはきちんとトップドア仕様を作り分けています。風洞が通る窓柱の部分は、ドア側はボディーに表現、運転席側は窓に表現と、設計思想としては少しちぐはぐな感も歪めませんが、土佐と側面を共用する為には致し方の無い事でしょうか。よく見ると、運転席側の窓は土佐と違っています。 〜と言う事は、G4の4種それぞれ側面窓パーツは専用部品になっている事になります。
成型色=アイボリー



品番S021:東京都交通局(P-MP118K)
(呉羽最初期のスケルトンボディー・中4枚折り戸)
今回のシークレットです。 誰もが期待していなかった代物?〜〜正にまさかのシークレットだったかと思います。かく言う私も改造で作るつもり満々だった車両でしたが、これが出て来て驚きと言うよりも何だか拍子抜けしてしまいました。

都営落ちの譲渡車は無論、新潟交通や阪急等に居たらしい通称「ヒラメ」を作る際や、例えばエアロスターKの都市新グリーンシャトルにも窓や前バンパーが流用出来るなど何かと重宝しそうなだけに、シークレットオンリーモデルとなると12弾同様悩みの種になりそうです。
成型色=アイボリー



品番なし:ケース付属の白バス
(エアロスターK・中引き戸・丸フォグ)
形態としてはまんま羽後交通のそれですね。




■特徴など


エアロスターK前後作り分けの様子です。

フロントはヘッドライト、セーフティーウインドの有無とフォグランプの形態で4種
リアはテールや灯具類の組み合わせで5種あるようです。





部品構成はこんな感じです。
エアロスターK・G4共に以前はモノコック車や一部の観光バスに見られた方式=両側面を付き合わせる形に窓を支持する方式になっています。 窓を切り貼りする者としては、この方法だとちょっとやり難い部分もあったりします。 エアロスターKのリアウインドはフロント同様外からはめ込む方式です。

屋根上機器は、ファンカバーのみならずクーラーまで別パーツになっております。
取り付け時の接着剤使用はまちまちで、角型ファンカバー(特に都営・羽後のクーラー後ろ)や、シークレットのクーラーなどは取り外し難く、丸型ファンカバー、通常品のクーラー、静鉄の長型ファンカバーなどは比較的すんなり外れます。



キュービックではその構造上とても折れ易かったこの部分、今回は補強のような感じで太めにモールドされています。 分解する時や大きな加工を施す時など、持ち方によっては力が掛かる部分なので、これは良い配慮でしょう。 ただ、真正面から見ると少し目立ってしまう感もありますので、黒く塗るか扱いに自信があれば削ってしまっても良いかも知れません。



シャシーはエアロスター・G4それぞれ新規で製作されております。
内装は両形式で上手く共用する形になっていて、中扉用(S37)・後ろ扉用(S38)・トップドア用(S39)と3種作り分けられています。 当然相互に入れ替え可能です。
タイヤは大阪市だけ扁平タイヤを履いています。



屋根上パーツは以前の製品からの流用したファンカバー(角・丸)に、しずてつには長いファンカバーが起こされています。 ただし、道北のかまぼこ型ファンカバーは9弾製品のパーツではなく、車体と一体成型で、取り外す事は出来ません。 クーラーが別パーツとなった事で、外気取り入れ口(クーラー本体の前の部分)が立体的になった他、非冷房車も作り易くなりました。



内装パーツはG4と共通部品 (G4=都営・土佐:C37 日本:C38 沖縄:C39)



製品を一見すると中引き戸仕様のドア側窓は道北/羽後・横浜で方向幕の位置が違いますが、どうやらパーツ(形)としては共通となっていて、サッシや方向幕は印刷で変化を付けているようです。



G4は都営・日本交通が広幅前扉を、土佐・沖縄は標準扉を採用しています。
左右で異なる窓の大きさまで再現されています。



G4の屋根上機器は基本的には従来同様ボディー一体成型ですが、土佐の丸型ファンと後ろ方向幕部分は別パーツになっています。 方向幕部分は接着剤でがっちり付いているようですが、まぁこれは外す事は先ず無いと思うので問題ない部分でしょう。
道北エアロスターKのかまぼこ型ファンカバーは9弾製品で採用されたパーツではなく、車体と一体成型でモールドされております。 他にも後部マーカー付きは道北の屋根だけですので、これも合わせて専用に起こされたようです。




■シークレットを観察してみる


前後を真正面から見ても、上手く実車の感じを掴んでいると思います。 前面は58MC辺りからそれほど手を掛けずに出来そうではありますが、後部エンジン開口部はかなり面倒な代物です。 大きな前面バンパーは都営エアロスターKの都市新仕様にも同様のものが装備されています。 リアバンパーと造形が似ているのでその辺りから持って来ても良いかも。



当初ぱっと見た感じ前面後面とクーラーだけ作り分けて上手く再現しているのかな?と思っておりましたが、こうして改めて見てみると結構いろいろ違う部分があるようです。
ドア側側面は、中ドアの上の鴨居状に出っ張った部分の有無とガーニッシュ状の空気取り入れ口、運転席側は運転席窓の形とやはりガーニッシュの形態、(もしかしたら裾の切り上がりの形)など各所違う部分が散見されます。
側面窓パーツは運転席横の窓を除き相互に入れ替え可能です。



このクーラーもどう作ろうか悩んでいたもので、形はブル(B35)に似ているけど屋根Rが違う…
自作を覚悟していたものです。



エアロスターKとシクレの側面後部の黒いガーニッシュ状部分のアップです。
最初期のエアロスターKにはシクレのような形状を持った車両も居ます。
型取りとかエッチングとか……ごにょごにょ



ちょっと気になる点がこれです。 スライド型の組み換えを駆使した構造ですが、この部品構成の考え方は正直んーーーといったところでしょうか。
どうせ窓は専用に起こすのですし、幕部の取り付け部分だって型的には別に起こす事になる訳で、何らかの事情があるにせよ、少なくても「巧い」手法ではないと思う訳です。
もう一つの考え方として、方向幕部分が別形状になっているものへも対応させておきたい〜例えば将来通称ヒラメ等を作りたいが為の構造なのかも?〜と深読みすることも出来なくは無いですが…
私の中ではクーラーや窓など作って頂いただけで十分満足しています。 が、やはりこのままで並べるには個人的には物足りないかも知れない… いずれ作り直したいと思う部分でした。 惜しい…




■一点だけ残念なこと


シクレの部品構成は「都合です」〜と解釈も出来なくはないある種仕方の無い部分でありましょう。

しかしですね、これはイカンと思いますぞ。
何がと言いますと、この日本交通はドア間の客窓部上の雨トイがすっぽり抜け落ちてしまっています。その影響で窓と屋根との間に隙間が出来てしまっており、極端に言ってしまえば車体として成立していない状態です。恐らく手抜きではなくて単純に何かの工程でこの部分のデータが飛んでしまったのではないかと想像出来ますが、チェックは何もやってないの?と言いたくなるほど「やってしまった」部分であると思います。鉄道模型なら先ず間違いなく回収騒ぎになるであろうミスでしょう。
私はバスコレファンですし、心情的には悪い事はあんまり書きたくはない〜むしろちょっと持ち上げ気味にレポしたいと思っている方ですが、今回のこれはそう言った「贔屓目」を加味しても擁護の限界を超えている…そんな事象だと思います。

まぁ、工作する者としては画像下のようにプラ材を足せば形にはなりますが、誰もが工作する訳ではないですし、何より許諾された日本交通様にも失礼にならないのかなと…


ファンの一人として提灯持ちだけでは良くないのではないかと思い一言だけ書かせて頂きました。
エアロスターKの造形しかり、幼少の頃からよく見ていた呉羽G4のイメージも個人的には申し分なく、今回のバスコレ13弾は本当に良く出来た製品だと思っています。 ただ一点これだけは… 本当に残念です。


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