長野電鉄3500系(3600系)各車の特徴
模型製作用実車資料 No3  <ver7.0 最終更新 2006/08/27 更新履歴・謝辞
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 地方私鉄好き+譲渡車両に割と触手が動き易い私にとって、GMクロスポイントより発売された営団3000系はストライクド真ん中と言った
ところでありましょうか… これはもう私にとっては長電作れと言わんばかりの題材です。
しかし製作するにあり、パンタ撤去や近年の冷房化など、様々に変化した現在の様子について知りたいところが数多く出て来ました。
色々調べてみたものの求める情報を満足させる事は出来ず、結局現地へ取材に赴き2両編成を主体に現在の様子を調査して参りました。

 そこで、このキットをベースに長電を…と考える多くの(〜とあって欲しいナ)同好の皆様向けに、詳細データをまとめてみました。
まぁ細かい事を言っても、実際Nでは赤い帯さえ入っていればどこから見ても長電です。
神経質に拘る必要も無いとは思いますが、2編成3編成…と作る方はちょっと拘って仕様を変えてみるのも面白いと思います。

 データは『見たまま』を重視してまとめておりますので、一部雑誌等文献や所謂"薀蓄"と合っていない部分もあるかも知れません。
特に現状の形態把握では見たままが何よりの事実であると考えておりますが、お気付きの点等ありましたらご指摘頂けますと幸いです。

<おことわり>
 毎度ですが、画像/データの無断使用・改造使用・画像への直リンクは切にお断り致します。
データ/資料とした構成を重視した為、画像は約100枚、ページ横幅は830picあります。  ナローな皆様、画面横幅が小さな環境の皆様
にはご不便をお掛け致しますが、ご容赦下さいますようお願い致します。
構内での撮影については許可を得ております。  データ確認時期:2004年10月(一部画像2005年5月・2006年1月)


 ディティール車番対照表


 主な部分の車番による違いです。 表中記号やその他特徴については下の解説をご覧下さい。
 車番オレンジは電動車(モハ) 燈色は付随車(クハ)を示します。 車番は編成内で上に示した車両が湯田中寄りになります。
 また、編成番号赤色の編成は第一種休止編成で既に運用を離脱(車両自体は須坂駅構内で留置)しています。
 =未調査 -=その車両に該当部位なし

解説リンク <1> <2> <3> <4> <5> <6> <7> <8> <9> <10> <11>
編成車番 前面
手摺
方向幕 乗務員
扉窓
アンテナ 前窓下
通風口
ワイパー
移設跡
誘導
アンテナ
ランボード
P撤去跡
ヒューズ 避雷器 冷房改造 通風機 増結用
装備
抵抗機
N1 3501 高/黒 東急 なし あり なし - 非冷房 あり 通常
3511 高/黒 東急 なし あり 大小 残存 外し 外し - 非冷房 あり -
N2 3502 低/黒 東武 なし なし - 非冷房 あり 通常
3512 低/黒 東武 なし 大小 全撤去 撤去 撤去 - 非冷房 あり -
N3 3503 低/黒 東武 なし なし - P K 冷改 撤去 あり 改良
3513 低/黒 東武 なし なし 全撤去 撤去 撤去 - 冷改 撤去 あり -
N4 3504 低/黒 東武 なし あり なし - P K 冷改 撤去 あり 改良
3514 低/黒 東武 なし あり なし 全撤去 撤去 撤去 - 冷改 撤去 あり -
N5 3505 低/黒 東武 なし なし - P (K) 冷改 撤去 あり 改良
3515 低/黒 東武 なし なし 全撤去 撤去 撤去 - 冷改 撤去 あり -
N6 3506 低/黒 東武 なし なし - P (K) 冷改 撤去 あり 改良
3516 低/黒 東武 なし なし 全撤去 撤去 撤去 - 冷改 撤去 あり -
N7 3507 低/黒 東武 なし なし - Y (K) 冷改 撤去 あり 改良
3517 低/黒* 東武 なし なし 全撤去 撤去 撤去 - 冷改 撤去 あり -
N8 3508 低/黒 東武 なし なし - P (K) 冷改 撤去 あり 改良
3518 低/黒 東武 なし なし 全撤去 撤去 撤去 - 冷改 撤去 あり -
O1 3521 低/白 東武 なし なし - P K 非冷房 あり 改良
3531 低/白 東武 なし なし 全撤去 撤去 撤去 - 非冷房 あり -
O2 3522 低/白 東武 なし なし - P K 非冷房 あり 改良
3532 低/白 東武 なし 台座 残存 外し 外し - 非冷房 あり -
O3 3523 低/ワ* 東武 なし なし - 非冷房 なし 通常
3533 低/ワ* 東武 なし なし 残存 外し 外し - 非冷房 なし -
O4 3524 低/ワ 両方 なし なし - Y K 非冷房 なし 通常
3534 低/ワ 東武 なし なし 残存 外し 外し - 非冷房 なし -
O5 3525 低/ワ 東急 なし あり なし - P K 非冷房 なし 通常
3535 低/ワ 東急 なし あり なし 残存 外し 外し - 非冷房 なし -
O6 3526 低/ワ 東武 なし なし - Y K 非冷房 八箱 なし 通常
3536 低/ワ 東武 なし なし 残存 外し 外し - 非冷房 なし -
L1 3651 低/黒 東武 なし なし - P K 冷改 撤去 なし
3601 - - - - - - なし 撤去 - 冷改 -
3611 低/黒 東武 なし - 外し P K 冷改 撤去 なし
L2 3652 低/黒 東武 なし なし なし - P K 冷改 撤去 なし
3602 - - - - - - なし 撤去 - 冷改 -
3612 低/黒 東武 なし なし - 外し P K 冷改 撤去 なし
L3 3653 低/黒 東武 なし なし - 冷改 撤去 なし
3603 - - - - - - なし 撤去 - 冷改 -
3613 低/黒 東武 なし - 外し 冷改 撤去 なし
予備 低/- 両方 なし なし - 非冷房

●赤帯の太さ=窓上細帯 8.0cm(1/150:0.53mm) 窓下太帯 20.0cm(1/150:1.33mm) ←何れも実測値(サンプルは3612)
●全車の台車=FS510
●全車妻面手摺は、妻面向かって右側を撤去(切断しただけなのか、リベットのようなものを打ち込んだのかは不明ですが、撤去跡あり)
  ただし、L編成3601〜3603(中間車)については解説<12>を参照。
●全先頭車、営団時代の妻面IRアンテナを撤去(撤去跡あり)
●N/O編成パンタなし先頭車妻面、屋根上にランボード等の撤去跡がある/ないに拘らず母線配管は残存。
●編成用途は、基本的にN/L編成が長野駅乗り入れ用、O編成は支線区用ワンマン対応ですが、O1/O2編成はN編成の代用として使用出来る
  ようになっています。 (現在はN/L編成もワンマン運転を実施しています)
●N3〜N8・O1/O2編成は山の内線用抑速対応改造、350*/352*の床下抵抗器に差異があります。解説<11>を参照。
●L編成中間車は営団時代の元3500系(簡易運転台付き)である事から、湯田中寄り妻面の窓は左右共に固定窓です。
  また、N7編成では多くが2段窓に改造された妻窓(貫通扉戸袋でない側)が登場時のオリジナルのまま残されています。解説<12>を参照。
●基本的には編成ごとに大体の仕様は揃っておりますが、特にO4編成は編成内で仕様が大きく異なります。
  これは事故で元々の3524号車が廃車になり、急遽予備車を整備した車両と入れ替えらた為です。 従って現在の3524の仕様は予備車と対に
  なっております。 これと関連する元車番などのデータは<参考資料>を参照。
●取材当日は、N4編成の長野寄り3514号車には戸袋部分に広告が入っておりました。(個人的に模型では無視して… 2006年1月現在継続中)
●工場前に永らく留置してあった予備車は解体されてしまったようです。


 解説



<1>前面手摺

車番対照表へ
 営団時代で言う7次車以降の増備車より、前面貫通路脇の手摺が下方に長いものが採用されています。
長野電鉄在籍車の中では、O4編成の湯田中寄り先頭車(3524)とO6編成(3526/3536)が該当するようです。

前面手摺が短い例→ 3514  3515  3522 前面手摺が長い例→ 3524  3526  3536




<2>方向幕

車番対照表へ
 営団時代1次車のみ、2次車以降の車両と比べ前面方向幕が若干高い位置に付いております。
長野電鉄在籍車ではN1編成(3501/3511=営団時代3001/3002)が該当するようです。  
余談ですが、1次車登場時は側面窓の上下比率が以降の車両と違っておりましたが、営団時代に他車と共通仕様に変更されております。

高い例 : 1位側より斜め→ 3501

 また、方向字幕にも編成・用途によって画像のように5種存在します。
車両自体はN/L編成はツーマン・O編成はワンマン仕様となっておりますが、現在の長野電鉄では一部列車を除きN/L編成であってもワンマン
運転を実施しております。 それに伴い法令上N/L編成にもワンマン表示が必要になりますが、これは前面窓(助士席側)に別途掲示する事に
より解決、O編成のようなワンマン表記入り方向幕への取替えは行われなかったようです。
(ワンマン表示もN/L編成では掲示方法が違っています。 これについては解説<13>を参照)


(黒) ローマ字入り
黒幕
(黒*) ローマ字なし
黒幕
(白) ローマ字入り
白幕
(ワ) ワンマン・ローマ字入り
白幕
(ワ*) ワンマン入りローマ字なし
白幕
N1〜N6/N7の3507/N8
L1〜L3編成
N7編成の3517 O1/O2編成 O4〜O6編成 O3編成



@

<3>側面乗務員扉窓高さ

車番対照表へ
 側面乗務員扉の窓位置が↑画像の様に2種存在します。 これは更新により(末期新製車は元からなのか?詳細不明)高いものに取替えら
れたそうで、低いものは前面の窓高さと揃っているのに対し、窓上辺下辺共に高くなっております。
キット(GM製品)のデフォルトは更新後=高いものをプロトタイプとしているようですが、最近になって低い窓位置の乗務員扉もエッチングパーツ
として発売されました。 前面手摺等も長短入っておりますので、作り分けたい方はこれを使うと良いでしょう。
また、営団には側面客扉がオリジナルスタイル=客扉の窓が縦長で大きい車両も存在しましたが、長電在籍車には大きい客扉を持った車両は
存在しません。
余談ですが、乗務員扉次位客扉には全編成手掛けが付いております。
画像はクーラー位置画像<8> 又は その他駄画像<14>を参照下さい。
L編成中間車は真ん中の扉のみ手掛けが付いているように見えます。




<4>アンテナ

車番対照表へ
 営団時代に東武線・東急線への乗り入れ用に設置された無線アンテナです。
長野電鉄に譲渡以降、取替えが行われた形跡は無いように感じましたが、詳しくは不明なので明言は避けておきます。
取材時見たままをデータにしております。
また、O4編成の3524号車のみ上記アンテナが両方付いています。


@

<5>前面窓下通風口  ワイパー移設跡

車番対照表へ
 文献によると、4次車以降の増備車から前面窓下に通風口が新設され、同時にワイパー取り付け位置も窓上から窓下に設計変更されている
ようです。 現在通風口は全車塞がれており、営団時代に施工したものに多い小さい塞ぎメクラの他、大きい塞ぎ板(元の蓋ををのまま使用?)
と、2種の形態が存在します。 もちろん元初期車は通風口の塞いだ跡は無い事になります。
初期の1〜3次車は営団時代にワイパー取り付け位置を窓上から窓下に移設されており、該当車両は窓上に小さなメクラが付いています。
上記文献での薀蓄を踏まえると、1〜3次車は通風口塞ぎ跡は無く且つワイパー移設跡はある事になりますが、3612/3652号車は通風口を塞
いだ跡はありませんが、あるはずのワイパー移設跡もありません。 模型では現状を製作すれば良いとは思いますが…少々気になります。

前面窓下通風口凡例 『小』=長電では最多。小さな板で塞がれている。
『大』=元の通風口の蓋をそのまま固定か?
『なし』=痕跡なし(初期車?)このタイプを良く見ると、ワイパー位置も上記2種とは微妙に違います。
3508
3526
3535



<6>誘導無線アンテナ

車番対照表へ
 長野駅周辺地下区間への対応として、この区間へ入線する編成(N/L編成)には誘導無線アンテナが大小2つ取り付けられておりました。
しかし、近年冷房改造の際に外される傾向にあるのか、N編成の冷房改造車は2個とも撤去、L編成は長野寄り先頭車(361*)に大が1個残さ
れているのみになっています。
また、O編成は基本的には支線区用で誘導無線アンテナは設置されておりませんが、N編成代用として使用出来るO1/O2編成のみ誘導無線
アンテナが取り付けられておりました。 しかし、この編成も現在の3532号車では台座を残してアンテナ本体は撤去されており、3531号車は
相棒の3521が屋根絶縁が布張りなのに対しこちらだけ目新しい塗装仕様になっている事から、近年綺麗に撤去されたと考えられます。
→この3531号車の俯瞰画像は解説<7>を参照下さい。
模型的にはN編成冷房車・O3〜6編成を選べば誘導無線アンテナ本体・台座等の加工が必要なくなるので楽かも知れません?

小型搭載位置→ 3511 大型搭載位置→ 3511 大型搭載位置(冷房車)→ 3612
大型俯瞰→ 3612 大型俯瞰→ 3613 台座のみ残るO2編成→ 3532




<7>パンタ周辺配管とパンタ撤去跡   ヒューズ  避雷器
 

車番対照表へ

パンタ撤去跡凡例 『残存』=ランボードや各種機器の台座、配管まで残されている車両。 ヒューズ本体は外されている。
『全撤去』=ランボード他台座など綺麗に撤去されている車両
『撤去』=ランボード・元配管は撤去されているが、ヒューズのみ存置(新規配管?付き)
ヒューズ凡例 『A』=多くの在籍車に使用されているタイプ
『B』=L編成中間車や一部車両に使用されているスクエアなタイプ
『撤去』=ヒューズ本体や付帯する台座なども撤去されているもの
『外し』=ヒューズ本体は外されているが、台座などは残っているもの
避雷器凡例 『P』=パンタ台枠横に設置されている形態 アースが車体へ延びている
『P K』=位置はパンタ台枠横の元『P』形態の車両で、最近新型避雷器へ交換された車両
『P (K)』=自身の目では未確認、職員の説明によると、『P K』同様新型避雷器へ交換されていると推測される車両
『Y』=円筒型のものが車端部中央に設置されているタイプ。 配管が屋根肩(3507はランボード下)を通る
『Y K』=位置は車端中央の元『Y』形態の車両で、新型避雷器へ交換された車両
『Y (K)』=自身の目では未確認、『P (K)』同様の理由により新型避雷器へ交換されていると推測される車両

新型避雷器は、KP・YPで若干形状が違い、PKは肩が斜めに切り落とされたような形態で僅かに薄く、足の形状も違います。

パンタ周辺画像 見たままコメント
N1編成観察 ヒューズの形態と車端中央に避雷器が無い事、パンタ撤去車にはランボードが残されている事のみ何とか観察する
事が出来た。 これを踏まえると、O2/O5編成と同様の形態の可能性あり。ただし各種台座は観察出来ず。
N2編成3502縦俯瞰 非冷房だが、パンタ撤去車のランボード等も綺麗に撤去されている。
N3編成3503縦俯瞰
N3編成3503斜俯瞰
冷房車の標準的な形態か? 避雷器はパンタ横に付き、パンタ撤去車のランボード等も綺麗に撤去されている。
現在N編成ではこのタイプが多く、N3〜N6・N8編成は見た目ほぼ同様の形態。
N4編成3504斜俯瞰 N3編成と同様の形態に見える。
N5編成俯瞰撮影済 同上 画像は撮影済みですが、ブレてとてもお見せ出来る代物では…(^^;
N6編成俯瞰観察 同上 入場中でしたが、ご好意もあり観察は出来ました。
N7編成3507縦俯瞰 避雷器が円筒型で車端中央にあり、配管引き回しが異端。 唯一作用管/避雷器配管共にランボードの下を通る。
N8編成3508縦俯瞰 N3編成と同様の形態に見える。
O1編成3521斜俯瞰
O1編成3521縦俯瞰
N2編成とほぼ同様。 3531のみ塗り仕様になっている。
O2編成3522縦俯瞰
O2編成3522縦俯瞰
避雷器はパンタ横に付き、パンタ撤去車にはランボード他台座等が残る。 O5編成も同様。
O3編成観察不可 停止位置の関係でパンタ周辺は見えませんでした。
*K氏より2002年11月現在のデータをご協力頂きました。
『管理人がみたまま』のデータではありませんが、車番対照表に追記させて頂きました。ご協力御礼申し上げます。
O4編成3524縦俯瞰

O4編成3524斜俯瞰
(避雷器換装後)
避雷器が円筒型で車端中央にあり、これの配管が屋根肩を通る。 ヒューズが異タイプ。
パンタ撤去車は避雷器がパンタ横に付くタイプだったらしく、屋根肩に配管台座の跡がない。
O5編成俯瞰観察 O2編成と同様の形態に見える。
O6編成3526縦俯瞰

O6編成3526斜俯瞰
(避雷器換装後)
ヒューズの形態以外3524と同タイプ。 パンタ撤去車は円筒型避雷器の撤去跡と屋根肩に配管台座が残る。
一番の差異は通風機、八角タイプは長電唯一。パンタ車車端のみ薄い箱型に取替え(カギ外し設置が影響か?)
L1編成3601縦俯瞰 下記、L2編成と同様に見える。
L2編成3602縦俯瞰

L2編成3612斜俯瞰
(避雷器換装後)
向かって左側のヒューズが外されている以外、ほぼN3編成と同様に見える。
画像に無いクハ3652はヒューズが2つとも設置されていて、こちらも同様。
中間車3602はランボード他は撤去されているが、ヒューズが残り新規?配管で繋がっている。
こちらのヒューズは左右共にスクエアなタイプ。
また、360*は元営団3500形最終増備(9次車)であり、屋根上の四角い出っ張りが車体中央線上にあるのが特徴。
これは恐らくですが8次車以降の扇風機に関係していると思われます(〜7次車までは室内送風はファンデリア)
L3編成3603縦俯瞰 画像は左が3603 右は3602
上記L2編成とほぼ同様。 ただし、3603のヒューズは左右で異なるタイプを使用している。
よく見ると3603の配管が3601や3602と曲げ方が異なっているのも判る。
その他、中間車3601〜3603のみ通風機撤去跡に四角い蓋の様な物がある事が判る。先頭車・N編成にはない。




<8>冷房改造

車番対照表へ
 近年冷房改造が施工されていますが、文献によると京成からのお下がりとの事です。 (画像は冬仕様…雪吹き込み防止板付き)
模型的には小田急クーラーで良いと考えますが、某ショップS氏によると、GM小田急クーラーは、小田急キットに付属のもの・京成キットに付属
のもの・クーラーだけで発売されているもの…と3種あり、実はそれぞれ微妙ですが形が違うそうです。〜お薦めは小田急キット付属だそうです。
マイクロのAE用(大)がそのものズバリ?  クーラー下には台座があります。

クーラーの向き(L編成) 361* 360* 365* クーラーの向き(N編成) 351* 350*
前位 後位 後位 前位 後位 前位 前位 後位 後位 前位
←矢印はこのように
向きを示しております。

M2(351*)
前位位置→
3518 M2(351*)
後位位置→
3518 M1(350*)
後位位置→
3508 M1(350*)
前位位置→
3505 L編成中間車→ 3601




<9>通風機

車番対照表へ
 非冷房車の殆どの編成で箱型タイプが設置されております。 このタイプは本来8次車以降の増備車に搭載されておりましたが、後年(営団
時代)に順次箱型に取り替えられたそうです。 しかし、近年冷房改造を施された車両は全て撤去しており、現在は非冷房車のみ搭載されてお
ります。 また、冷房改造後のL編成中間車(3601〜3603)のみ四角い蓋のような出っ張りがある事も模型的に気になる点です。
そして特筆すべきはO6編成で、この編成は営団時代の後期更新仕様(通風機取替えなどが省かれている)の為、八角タイプの通風機がそのま
ま使用されており、長野電鉄では唯一の存在です。
また、他にN7編成3507/3517も同じく八角型通風機が使用されておりましたが、こちらは冷房改造の際に撤去されてしまいました。

<その他特徴>
N1/N2 O1〜O5編成の箱型通風機で、パンタに隣接する2個、元パンタ部分に隣接する2個については薄型のものが使用されております。
O6編成はパンタ車車端の1つのみ薄型の箱型通風機が使用されております。カギ外し設置で邪魔になったのでしょうか?
パンタ撤去車(3536)は全て八角型通風機です。




<10>増結対応装備

車番対照表へ
 外観のみを取り上げると、前面下部のジャンパ栓・エア引き通し+ホースの有無で違いが表現出来そうです。
もちろんそれぞれ向きによって逆に付いております。 増結対応はN編成とO1/O2編成。
それ以外の編成(L編成長野寄り361*除く)は前面下部で見えるものは連結器とATS車上子位しか無く、非常にすっきりしております。
361*については機器箱のようなものが向かって左側下に設置されているのが見えます。(次回再訪時に撮影アップ致します)




<11>抵抗機  床下機器画像
  (未完成/画像消失)

車番対照表へ
 山の内線勾配区間抑速ノッチ対応用として一部車両の抵抗器が取り替えられているようです。
また、営団時代で言う6次車以降の奇数車は5次車以前の車両と比べ主幹制御機位置が大幅変更されており、該当するO4/O6編成とL編成
中間車については機器位置が他車とは大幅に異なっております。

N編成(非冷房)
床下<A>
N編成(非冷房)
床下<B>
N編成(非冷房)
床下<C>
N編成(非冷房)
床下<D>
N編成(冷房/抑速付)
床下<A>
N編成(冷房/抑速付)
床下<B>
N編成(冷房/抑速付)
床下<C>
3506 N編成(冷房/抑速付)
床下<D>
3516
O編成(非冷房)
床下<A>
O編成(非冷房)
床下<B>
O編成(非冷房)
床下<C>
O編成(非冷房)
床下<D>
O編成(非冷房/抑速付)
床下<A>
O編成(非冷房/抑速付)
床下<B>
O編成(非冷房/抑速付)
床下<C>
O編成(非冷房/抑速付)
床下<D>
O編成(非冷房/後期形)
床下<A>
3536 O編成(非冷房/後期形)
床下<B>
3526 O編成(非冷房/後期形)
床下<C>
O編成(非冷房/後期形)
床下<D>
L編成(冷房)
床下<E>
3611 L編成(冷房/後期形)
床下<F>
3601 L編成(冷房)
床下<G>
3651 O6編成(非冷房後期形)
八角型通風機位置参考
3536
L編成(冷房)
床下<H>
L編成(冷房/後期形)
床下< I >
L編成(冷房)
床下<J>
FS510台車 3531

撮影した画像と車番を対照する表を無くしてしまい、只今編集が滞っております。

(旧画像)
通常床下→ O5編成 通常床下→ O5編成 350*/352*通常→ 3525
改良床下→ N8編成 改良床下→ O1編成 350*/352*改良→ 3508




<12>妻面手摺と妻面窓

車番対照表へ
 営団時代登場時は妻面手摺は左右両側に付いておりましたが、現在では向かって右側が全て撤去されています。(撤去跡あり)
予備車の妻面がやはり右側が撤去されている事を考えると、営団時代に撤去されたの可能性が高いかと思われます。
また、360*(L編成中間車)湯田中寄り妻面は元々昇降手摺はありませんが、向かって左側貫通路脇にこのような手摺が付いております。

 L編成中間車(長野電鉄360*営団時代3500系)は元簡易運転台付きの車両であり、湯田中寄り妻面の窓が左右とも固定窓になっております。
また、GMクロスポイント製キットでは両先頭車とも共通の金型を使用している為、351*/353*/361*では左右が逆になってしまいます。
拘る方は少々厄介な加工が必用です。
N7編成3507/3517は、他車では2段窓である妻面窓(貫通扉非戸袋側)部分が一枚窓です。

先頭車標準形態
(元奇数向)
3506 妻面配管・カギ外し・営団時代IRアンテナの撤去跡・貫通路幌枠内側にも手摺がある事が判ります。
元3500系
簡易運転台側部分
3602 L編成中間車3600形は全て営団3500形(簡易運転台付き)が種車で、この部分はHゴム固定窓です。
N7編成のみの一枚窓 N7妻外観
N7妻内側
通常2段窓ですが、N7編成のみ一枚窓のままです。
営団オリジナルなのか改造なのか不明ですが、3517は構造的には開閉可能(下降式)、3507は
固定されているようです。(ただし、3517は実際に開閉出来るかは不明です)




<13>ワンマン表示・編成番号表記
車番対照表へ
 解説<2>でも触れましたが、ワンマン表示の掲示方法が各編成で異なっております。
また、編成番号も同じ助士席側前面窓に表記されておりますが、一部表記されていない車両もあります。
模型製作の仕上げ用参考に。

(A) 編成番号が表記されている車両 (B) 編成番号が表記されていない車両 参考画像
3501 3502 3503 3504 3505 3506 3507 3508
3511 3512 3513 3514 3515 3516 3517 3518
3521 3523 3525 3526 3531 3532 3533 3535
3536 3611 3612 3613 3651 3652 3653
3522 3524 3534



(A)+(G) 3514  (A)+(G) 3532
(A)+(K) 3652  (B)+(G) 3522
(A)+(M) 3526  (B)+(M) 3524
(G) 緑枠ワンマン表記 (K) 切り文字ワンマン表記 (M) 方向幕にワンマン表記
3501 3502 3503 3504 3505 3506 3507 3508
3511 3512 3513 3514 3515 3516 3517 3518
3521 3522 3531 3532
3611 3612 3613 3651 3652 3653


3523 3524 3525 3526
3533 3534 3535 3536


編成番号は切り文字ステッカーを表から貼り込み又はペイントによる。
ワンマン表記は全て窓裏に掲示。 切り文字ワンマン表記はステッカーを裏から貼っている。




<14>その他駄画像
 (おまけ画像です、気分で追加?)
車番対照表へ

側面長電社紋 社紋 正面長電ロゴ バスの方が… ロゴ 乗務員ドアの次位客扉のみ手掛けが付く(全先頭車共通)
L編成中間車は真ん中の扉に付いている可能性あり。
3535
相棒はO4編成で活躍中 予備車 未だに… 何か レール塗油機?車輪が錆び錆び、余剰休車状態とか… 3533
ライトケースアップ 3501 正面表記拡大 N・L・O1/2
編成には緑枠ワンマン表示
3501 正面表記拡大 他のO編成はワンマン表示は方向幕に。 3535
未だ現役 5001 N1/N2/O3編成に…休車表示 3501 2005年GWを中心に運転された『軽井沢・小布施リレー号』 N3
B編成須坂発車 2003 カッコイイ… 片側ライトが無くなっています…晩年の姿 2005/4/30 予備車



 (参考資料) 営団時代との車番対照表/製造時による変更箇所など


 凡例 : 現長野電鉄車番←営団3000系時代車番<営団時代新製次>
 3500系 N編成
N1 3501←3001<1> 3511←3002<1> N2 3502←3043<4> 3512←3044<4> N3 3503←3049<4> 3513←3050<4>
N4 3504←3059<3> 3514←3060<3> N5 3505←3061<4> 3515←3062<4> N6 3506←3065<4> 3516←3066<4>
N7 3507←3051<4> 3517←3052<4> N8 3508←3039<4> 3518←3040<4>

 3500系 O編成
O1 3521←3031<4> 3531←3032<4> O2 3522←3037<4> 3532←3038<4> O3 3523←3041<4> 3533←3042<4>
O4 3524←3077<8> 3534←3046<4> O5 3525←3057<3> 3535←3058<3> O6 3526←3075<7> 3536←3076<7>
*譲渡直後の3524号車は3045が種車でしたが事故により廃車→予備車:営団時代車番 3077/3078から3077を整備の上入れ替え

 3600系 L編成
L1 3651←3053<4> 3601←3523<9> 3611←3054<4> L2 3652←3055<4> 3602←3571<9> 3612←3056<4>
L3 3653←3067<4> 3603←3527<9> 3613←3068<4>

 営団時代、車番の付番方法が製造途中で変更されている為、元車番は新製順序通りになっていない部分があります。
 これは、営団時代3次車までの付番方法は中間車4000形を含んだ全部の車両で通し番号となっておりましたが、4次車からは形式ごとに通し
 番号を振る方法へと変更されました。 その際、3次車までの車番は変更せずに4次車以降で空番を埋めて行った事に起因します。

新製次 3000形 4000形 4500形 3500形 在来車との変更点など
1次車 3001〜3016 - - - スカート付き 台車 FS-336
2次車 3017〜3028 4029〜4056 - - 前面方向幕位置下げ スカート廃止 側面窓上下比率変更 
3次車 3057〜3060 4061〜4064 - - 台車変更 FS-348
以下付番方法変更   4次車空白部分は2/3次車で使用済みの為
4次車 3029〜3056
3061〜3068

4001〜4028
4057〜4060
4065〜4068
4501〜4548


- ワイパー取り付け位置の変更(窓上→窓下)
前面窓下に通風口を設置
5次車 3069〜3072 4069〜4072 4549〜4558 - ほぼ変更なし
6次車 - - 4559〜4564 - 制御機が車体中央(抵抗器に挟まれていた)から外側に変更
7次車 3073〜3076 4073〜4076 4565〜4576 - 妻面窓2段サッシへ変更(後に在来車も施工) 前面手摺大型化
8次車 3077/3078 4077/4078 4577/4578 - ベンチレターを箱型に変更(後に在来車も一部を除き施工)
9次車 - - - (3501〜3504)
3505〜3574
簡易運転台付き
3501〜3504は4533/4534/4555/4556から改造編入
最終数 78 78 74 74 3500形に改造された4500形4両は欠番
総両数8連38本304両

* 厳密には初代4576号車は竣工約半年後の1967年3月に事故廃車 代替車両(同番号)は同年9月竣工
* 3501〜3504改造の為に4500形2両ずつを供出して4連となった3005〜/3015〜編成は、後に4+4の組み合わせで8連を組成しており、
  中間封じ込めとなった3006/3015は片側のライトを外して急カーブのクリアランスを確保していたようです。

  営団時代の製造次別編成表をまとめてみました。  長電製作にはあんまり関係無さそう… なので別ページに。


 おまけ Nゲージ製作に使用出来そうなパーツ一覧


  あくまで参考に、おまけ扱いなので品番まで調べていないものもあり(^^;
 各部品は個人の好みにもよりますので、現物を見て判断すると良いでしょう。 他にもこんなのも使えそう〜などありましたら是非ご教示下さい。

車体諸々 GM:営団3000系キット 錦林車庫:営団3000系キット
台車・動力 GM:FS510 / FS510動力ユニット(18m)
ヒューズ箱(A) イエロートレイン:YP825 私鉄用ヒューズCタイプ KATO:MC250用 小田急10000系用 など
ヒューズ箱(B) イエロートレイン:MP827 私鉄用ヒューズEタイプ(ただし、上部のX型プレス表現はありません)
避雷器(パンタ横タイプ) GM:京成3700系用(出来れば小加工の上使用) 次点でペアーハンズ:NP-013東武機関車等用(旧タイプ)
避雷器(円筒型) 今のところ見当たらず
円筒型避雷器撤去跡 KATO:Assy3020-4旧型避雷器の上部(6本ビス表現あり)
パンタ(実車はPT44A) GM:PT42 Tomix:PG16 など
パンタ台座 イエロートレイン:YP415/YP418パンタ台座(Wメタル・ロスト) キングスホビー:KPP006パンタ台座(プラ)
Tomix:PS13付属部品小加工 など
ワイパー 銀河製・タバサ製などいろいろ  これはお好みで(^^;
前面手摺(別体化用) GMクロスポイント:営団3000系用乗務員扉パーツに長/短共に含まれています。
東武タイプアンテナ ペアーハンズ:NP-022東武通勤車用無線アンテナ (GM一体成型車体の質感からするとちょっと線が細いかも?)
その他、KATOAssyパーツの中にも使えそうなものがある可能性大。
東急タイプアンテナ KATO:お召し客車用 KATO:西武E851用 Tomix:小田急7000系用 GM:色々なキットに付いてます(^^; 他
誘導無線アンテナ 細かい事を気にしなければ…GM:京王6000系用  あまぎモデリングイデア:長電OSキット付属部品
八角型ベンチレター GM:東急7000系キット付属品 (GM秋葉原店にてこの通風機部分のみ分売中)
クーラー GM:小田急9000系用
(京成キットに付属のもの・クーラー単体販売もありますが…出来は小田急キット付属品がお薦め)
マイクロが部品を分売してくれればAE用の大きい方など
クーラー台座 0.25mm厚プラ板から切り出して使いましょう
エアホース 銀河:エアホース(Wメタルorロストあり) ワールド工芸:エアホース(ロスト)
ジャンパ栓 KATO:EF64用などお好みで GM:色々なキットに付いてますが物によって出来は雲泥…
低窓タイプ乗務員扉 GMクロスポイント:営団3000系用乗務員扉(更新前)パーツ
車番インレタ 当方オリジナル:長電3500/3600用インレタセット GMクロスポイント:営団3000系用に一部編成収録
側面社紋・前面ロゴ 当方オリジナル:長電3500/3600用インレタセット
@


■あとがき・謝辞
 例によって、表使いまくりの駄ソースですので、IE以外のブラウザはちょっと心配+右クリックは心情的禁止です(恥)
今回取材した際の印象は木島線廃止の影響か全体的に余りぎみ、特にN1・N2・O3編成は最近使われた形跡が無かった
のが気掛かりです。

 末筆になりますが、データ作成にあたり 資料を提供頂きました某ショップS氏、データ補完の呼び掛けにご一報頂きました
N様、I様、清水様、K氏 様々な補完情報や一部画像を拝借頂いたアルミリサイクルカー様 のもっちゃん様 突然の訪問に
も拘らず、快く取材にご協力頂きました長野電鉄及び長電テクニカルサービス職員の皆様 また社紋・ロゴを使用したインレタ
頒布の件について寛大なご回答を頂いた長野電鉄本社に、心から御礼と感謝を申し上げます。
有り難う御座いました。



■更新履歴

2006/08/27 ver7.0 ページ構成リニューアル
2006/01/20 ver6.0 実車避雷器換装に伴い屋根上解説<7>に追記と画像追加
2005/08/30 ver5.1 妻面解説<12>に画像追加と文面変更 (アルミリサイクルカー様よりの情報/画像を加味しての変更)
     その他駄画像<14>に画像追加
2005/06/22 ver5.0 妻面解説<12>に画像追加とN7編成についての記述訂正。
     床下解説<11>の構成変更 しかし画像は一部のみのアップ(サルベージ中)
     パンタ周辺解説<7>に3602縦俯瞰画像追加
     その他駄画像<14>に画像追加
2005/04/10 ver4.0 <参考資料>として、実車製造次による車番と主な変更点を追記 別ページに製造次編成表をアップ
2005/04/05 ver3.1 解説<12>に妻面窓についての補足イラストを追加
2005/03/31 ver3.0 解説<12>に妻面窓についての補足を追加(実車画像は未)  解説<9>の一部文章変更
2005/03/23 ver2.2 方向幕の項、誤り修正(N7編成)
2005/03/21 ver2.1 模型製作に使えそうな部品にMC250用ヒューズを追加
2005/02/28 ver2.0 営団時代との番対照表・N製作用部品表追記と一部文章の変更
2004/11/09 ver1.31 車番対照表誤り修正。(O5編成前面通風口・ワイパー移設跡の項目)
2004/11/06 ver1.3 N3/O4/L2編成、乗務員扉窓高さのデータ抜け補完。
2004/11/02 ver1.2 車番対照表に乗務員扉窓の高さの項目を追加。 O3編成パンタ周辺の形態データ追記。
2004/10/31 ver1.1 クーラー向きの解説を追加
2004/10/30 ver1.0 初版アップ

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